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2022.05.21

意外に厳しい世帯年収1,000万円|老後資産の準備方法

一般的に世帯年収1,000万円あれば、贅沢な暮らしができると想像しがちです。しかし、実際は社会保険料や税金が高く、手取り額を少しでも増やす努力が必要になります。今回は、世帯年収1,000万円の手取り額のモデルケースや暮らしぶりを解説。老後の生活資金を確保する対策についても紹介します。

世帯年収1,000万の手取りはどれくらい?

厚生労働省2019年「国民生活基礎調査 各種世帯の所得等の状況」によると、2018年の1世帯あたりの平均所得金額は552万3000円。また同調査によると、全世帯のうち、年収1,000万円以上の世帯の割合は12.1%。おおよそ1割強の世帯が年収1,000万円を超えていることになります。

しかし、一概に世帯年収1,000万円といっても、夫婦いずれかの収入が1,000万円とは限らず、夫婦2人がそれぞれ年収500万円で合計1,000万円などのケースも考えられます。参考までに、両者のケースで手取り額を計算してみましょう。なお、いずれのケースも夫婦両方40歳以上、子どもなし、収入は給与収入であると仮定しています。

 夫婦それぞれ年収500万円夫婦いずれかが年収1,000万円
健康保険料約57.3万円約57.6万円
厚生年金保険料約90万円約71.4万円
雇用保険料3万円3万円
所得税約27.6万円約74.2万円
住民税約48.6万円約60.2万円
手取り約773.5万円約733.6万円

東京都の健康保険料率(介護保険第2号被保険者に該当する場合)を参照

世帯年収1,000万円は意外に余裕がない

上記の2つのケースは、いずれも世帯年収1,000万円であることには変わりませんが、厚生年金保険料や健康保険料が高額で、手元に残るお金が7割~8割程度であることが分かります。

つまり、世帯年収1,000万円の人は、所得税の税率も高く健康保険や厚生年金保険料や住民税などもそれなりにかかるため手元に残る金額は意外に少なく、周囲が考えるほど裕福ではない可能性があるのです。

世帯年収1,000万円の人はどれくらい貯蓄している?

手取り額のうち何割を貯蓄しているか調査したところ、世帯年収1,000~1,200万円の世帯では、30%以上貯蓄したと回答した割合が20.8%。20%以上30%未満と回答した割合は20.9%となっています。全体的には、年収が高いほど手取り額から貯蓄に回せる余裕があると推測できますが、一方では、20%未満は30.2%、10%未満は12.6%、貯蓄していない人も12.5%と決して少なくはありません。

世帯年収1,000万円の家計は?

総務省が発表している2021年度家計調査、二人以上の世帯詳細結果表によると、世帯年収1,000万円近辺にいる人の1ヶ月あたりの支出額全国平均は以下の通りとなっています。
全世帯平均と比べると、世帯年収1,000万円近辺にいる人は、食料、交通・通信、教養や教育娯楽、その他の消費支出が大きく上回っているようです。

【世帯年収1,000万円近辺にいる人の支出金額※1】              (単位:円)

用途分類平均世帯年収
900~1,000万円
世帯年収
1,000~1,250万円
食料94,693106,750112,775
住居(家賃、修繕、維持費など)22,23731,63519,159
光熱・水道22,25822,61723,541
家具・家事用品13,30916,23116,057
被服及び履物11,00015,67018,215
保健医療(医療サービス、医薬品、医療用具など)14,98119,59219,307
交通・通信40,17350,73862,226
教育(授業料、教科書など)10,70022,51529,099
教養娯楽(書籍、月謝、旅行など)29,06943,24441,405
その他の消費支出(その他雑費、理美容サービス、たばこ、小遣い、交際費など)61,78790,49589,912
合計317,206419,486431,695

※小数点以下を省略しているため、各項目を合計しても支出合計が合致しない場合があります。

【その他の関連情報】

用途分類平均世帯年収
900~1,000万円
世帯年収
1,000~1,250万円
世帯人員(人)2.923.323.44
世帯主の年齢(歳)60.252.551.4
持家率(%)84.183.484.6

世帯年収1,000万円でも老後は不安?

金融広報委員会の令和2年度、家計の金融行動に関する世論調査において、老後生活に不安を感じているかを聞いたところ、年収が高くなるほど「非常に不安に感じる」世帯は減少傾向にあります。ただし、「多少不安を感じている」という人の比率は比較的高く、世帯年収1,000万円であっても老後は安泰と感じていない人も一定数いるようです。

世帯年収1,000万円の人ができる老後対策

世帯年収1,000万円の人は、手取りのうち貯蓄に回せる金額が多い傾向にありますが、毎月の支出も大きいため老後も生活レベルを落とすことが難しいかもしれません。ここからは、世帯年収1,000万円の人ができる老後対策を紹介します。

ふるさと納税

ふるさと納税は、自分が好きな自治体に寄付をすることができる制度のことで、ふるさと納税の年間上限額の範囲内であれば、原則2,000円の自己負担を除く全額が所得税、住民税から控除されます。仮に、お勤めの人で、夫婦のうちいずれかが年収1,000万円、子どもがいない世帯であれば、利用できるふるさと納税の上限額はおおよそ年間17万円です。
また、ふるさと納税は自治体によっては寄付額に応じて、寄付をした自治体から地域の名産品やサービス特典などを返礼品として受け取ることができます。日頃よく使うお米や日用品などをふるさと納税の返礼品として受け取ることで、生活費の節約にもつながるでしょう。

iDeCo

iDeCo個人型確定拠出年金の愛称です。iDeCoは掛金を払い、掛金を使って自分で商品を運用。原則60歳まで運用をして、その後は老後の生活費とすることができます。掛金は全額所得控除となり、運用して利益がでても利益に対して税金がかかりません。
会社勤務で夫婦のうちいずれかが年収1,000万円、子どもがいない世帯で、iDeCoの掛金を毎月23,000円で15年間運用した場合の所得控除のメリットは、約124万円になります。
また、運用次第では大きく元本を増やせる可能性もありますが、元本割れする可能性もあること、そして、掛金は60歳まで原則引き出しができない点には注意しましょう。
個人事業主の方は、最大で月68,000円まで掛金を拠出できるので、節税効果は意外に大きいです。

NISA

NISAとは少額投資非課税制度のことで、NISA口座を利用して投資をすると、投資金額が非課税枠の範囲内であれば、投資で利益がでても利益に対して税金がかかりません。主に、非課税枠が120万円で、5年間利用できる一般NISAと、非課税枠が40万円で20年間利用できるつみたてNISAの2つのタイプがあります。
NISAも選択した商品の運用次第では大きく資産を増やすことができますが、元本割れをする可能性があります。

住宅ローン控除

住宅ローンを利用していることが前提になりますが、一定の要件を満たした住宅ローンを利用すると、毎年末の住宅ローン残高または、住宅取得対価のいずれか少ない方の金額の0.7%が、最長で新築住宅の場合は13年間、中古住宅は10年間所得税から控除される制度です。

住宅ローン控除額は、控除が適用となる借入上限額が決まっていて、上限額を超えると控除が適用されません。住宅ローン控除の対象となる年末残高の上限は住宅の種類によって異なります。

【住宅種類別の借入限度額】

 住宅種類2022年・2023年2024年・2025年
新築認定住宅5,000万円4,500万円
ZEH4,500万円3,500万円
省エネ4,000万円3,000万円
その他3,000万円0円(2023年までに新築の建築確認がされていれば2,000万円)
中古認定住宅3,000万円(ZEH、省エネ含む)
その他2,000万円

生命保険料の控除

生命保険、医療保険、個人年金保険に加入することで、所得税はそれぞれ最大4万円、住民税は2.8万円ずつ控除を受けることができます。 3つの控除を合計すると、所得税は最大12万円、住民税は7万円(2.8✕3=8.4万円にはなりません)まで利用可能です。

比較的に貯蓄ができていて、余裕がある人は少しリスクは高くなりますが外貨建ての保険や個人年金保険も検討してみるとよいでしょう。

不動産投資

金融広報委員会の調査より、世帯主の年齢が60歳以上の世帯に老後における生活資金源を尋ねたところ、世帯年収が高い世帯ほど、不動産収入が多くなっていることが分かります。これから世帯年収1,000万円を目指したい人、あるいは、今は世帯年収1,000万円で、老後も生活レベルはなるべく落としたくないという人は、不動産投資を始めておくと老後も引き続き高い収入が維持できる可能性が高いです。

年収が高ければ、比較的金融機関からの融資は受けやすい傾向があるので、老後不安な人は不動産投資を検討してみるのもよいでしょう。

 就業による収入公的年金企業年金、個人
年金、保険金
金融資産の取り崩し利子配当所得不動産収入
(家賃、地代等)
こどもなどからの援助国や市町村などからの
公的援助
その他無回答



収入はない13.393.333.326.76.76.76.76.70.00.0
300万円未満23.792.121.927.05.61.93.35.62.80.9
300~500万円未満37.394.334.628.72.44.82.45.43.90.3
500~750万円未満40.390.637.141.53.86.34.42.51.91.3
750~1,000万円未満41.976.741.927.99.323.30.00.04.79.3
1,000~1,200万円未満43.893.850.043.80.018.80.00.00.00.0
1,200万円以上46.280.846.226.915.423.17.73.87.70.0
無回答33.384.329.421.63.95.92.07.82.00.0

不動産投資を始める場合、不動産投資ローンを利用するケースが多いですが、年収が高いほうが審査では有利になります。したがって年収1,000万円の方なら不動産投資は比較的有利にスタートすることができるでしょう。
ただし、夫婦それぞれ働いていて、世帯年収が1,000万円という場合、どちらかの収入だけでは融資の審査が厳しく、必ずしも配偶者にも収入があるから審査で有利になるとは限りません。そのため、不動産の選択肢が極めて限られる可能性があるので注意が必要です。

まとめ

世帯年収1,000万円と聞くと高年収で贅沢な暮らしをしているというイメージがありますが、所得税率が高くなり、社会保険料や住民税の金額も大きくなるため、手取り額は意外に少なくなります。老後に不安を持っている人の割合も大きく、世帯年収1,000万円だったとしても老後に向けて対策は欠かせません。利用できる対策は取り入れて、ゆとりをもった老後を送れるように準備をしておきましょう。

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