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2021.07.29

不動産投資で税務調査が来たらどうすればいい?

不動産投資でお金の出入りがあった場合は、正直に税務申告をしなければなりません。申告ミスや不正を疑われた場合、税務調査が入ることがあります。調査官が自宅に訪れて突然帳簿などの資料を求められたら、こちらに落ち度がなくても戸惑ってしまったり、焦ったりするものです。

税務調査では、何がチェックされるのでしょうか。また、税務調査がはいったとしても慌てずに済むように、普段からどんなことをしておけばいいのかを解説します。

1.不動産投資で税務調査が入る確率

税務調査とは、個人や法人が申告した内容について、税務署などが帳簿などを確認し誤りを指摘したり、税金の未納があれば追徴課税を課したりするものです。調査官が自宅や事務所に直接やってくることを指すことが多いですが、「お尋ね」という書類に回答するよう求められたり、資料を持って税務署に来るよう指示されたりすることもあります。

国税庁によると、申告件数の増加や経済取引の国際化などで業務量が増え、中身も複雑化していることもあり、納税者数に占める調査件数の割合は、法人・個人ともに減少しています。
1989年(平成元年)は法人が8.5%、個人が2.3%だったのが、2016年(平成28年)は法人が3.2%、個人は1.1%となっています 。 しかし、翌年に国税庁が発表したレポートによると、いわゆる富裕層の人たちへの課税強化が示されており、税務調査件数が前年比124.6%、追徴税額が同139.4%といずれも高い伸び となっています。不動産投資家も規模によってはこうした課税強化の対象になる可能性は十分にあります。

1-1.税務調査の対象となるのはどんな人?

どんな業種に税務調査が入っているのかを国税庁がランキングとして発表しています。それによると、上位10位は以下のような業種です。

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出典:国税庁「事業所得を有する個人1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」

全体的な傾向を見ると、風俗関係や水商売などが上位を占め、そこに建設や土木、運送などが続く構図が見て取れます。3位にランクインしているプログラマーについては、前回11位からのランクアップなので、ITワーカーの価値が高まってきたことによる収入増で税務当局も目を光らせているということなのでしょう。

なぜこれらの業種が上位にランクインしやすいのかというと、売り上げを隠しやすく、商品ではなく役務(サービス)を提供する業種は利益を操作しやすいという背景があるからのようです。

不動産投資の場合は物件の価格や家賃などが書面によって証明しやすいため、これらの業種と比べると税務調査が入りやすいということは考えにくいかもしれません。

とはいえ、不動産投資は現金商売です。税務当局は現金商売の業種に対して目を光らせている傾向があるため、不動産投資もそれに含まれます。家賃などの支払いは基本的に振込なので銀行の取引履歴からお金の流れを追うことは容易ですが、手渡しで支払われている場合はそれが困難になります。

このように個人を顧客として現金がやり取りされる業種は、不動産投資も含めて税務調査の対象になる可能性が十分にあることを認識しておくようにしましょう。

1-2.税務調査に入られやすいのはどんなとき?

不動産関連で税務調査が入るケースとしてよくあるのが、相続です。先代から不動産を相続して相続税の申告をすると、その内容を厳しくチェックされることがあります。

なぜなら、相続税は税率が高いうえに申告内容に不備があることが多いからです。平たく言えば、税務当局にとって相続税は「税務調査のコストパフォーマンスが高い」ということなのでしょう。

不動産投資の場合、毎年の申告内容にそれほど大きな違いはありません。物件が増減したとしても収益構造に大きな違いはないので、申告内容に劇的な変化は起きにくいと認識されています。

そんな不動産投資において今年だけ計上している経費が多いといったように「異常計数」が見られると、税務調査の対象になりやすくなります。

2.税務署はなにをチェックしているのか

調査を受けた会社のうち、誤りを指摘されるのは約7割で、不正計算(脱税)を指摘されるのは約3割です。ただ、税務調査が入ったとしても、不正をしていないのであれば何も恐れることはありません。調査に対応するのが不安ならば、税理士に立ち会ってもらうことをお勧めします。

ところで、税務署は何を調べに来るのでしょうか。短時間で過去1~3年分の会計資料をチェックするのですから、彼らなりにポイントを絞ってきます。

まず、必ずチェックされるのが交際費でしょう。交際費に計上されているお金が、不動産投資と本当に関係があるのかどうかです。不動産投資で、飲食や物品提供を伴う交際はあまり多くないはずなので、あまりにも多いと怪しまれます。また、身内に人件費を出している場合、雇用実態がなければ厳しく指摘されるでしょう。

売上の計上漏れを指摘されることもあります。当然ながら、売上が少ないと納税額は少なくなります。家賃を滞納されて入金がなかった場合、売上に計上しなくてもいいと考えるオーナーもいますが、それは誤りで滞納があったとしても計上しなくてはなりません。

家賃回収の見込みが立たなくなったときには「貸倒損失」として費用計上できますが、要件はかなり厳しいため小規模経営の場合はあまり現実的ではありません。

このほか、売上の計上時期を間違えたり操作したりしていないか、減価償却費のもととなる土地と建物の価格割合について書類上で確認ができるかなどがチェックされます。

2-1.収益の計上漏れはないか

収益の計上漏れは、それが故意であると所得隠しを疑われてしまいます。不動産投資の場合は家賃収入がほぼ全てで、その他にあるとすれば売却益まででしょう。そのため計上漏れは起きにくいですが、注意したいのは先ほど述べた家賃の滞納分の取り扱いです。

もちろん、空室時には家賃収入が発生しないので、無収入の分については収益として計上する必要はありません。

2-2.経費や消費税の処理は適切か

経費や消費税の処理についても税務調査の対象項目ですが、特に目を光らせているのが経費です。経費は多く計上するほど利益を少なくすることができるため、税額も低くなります。そのため不動産投資家は可能な限り経費を多く計上したいところですが、それが行き過ぎると税務調査のリスクを高めます。

個人で不動産投資を行っている場合、不動産事業のために要した経費なのか、生活に必要な経費であったのかの線引きが曖昧になりがちです。

国税庁は「業務遂行上必要であったことが明らかに区分できる金額」を経費 と認めているため、この曖昧さを利用して不動産投資と無関係の経費を多く計上すると税務調査の対象になります。

2-3.敷金や保証金の償却処理が正しく行われているか

敷金や保証金のうち、入居者に返還しない分はオーナーの取り分になります。つまり、これも収入の一部です。賃貸契約書に敷金や保証金についての記載があると思いますが、契約書で返還すると記載していない分については収入として計上 しないと、計上漏れになってしまいます。

2-4.契約書類はきちんと締結されているか

オーナーと入居者との間でやり取りされる金銭について、それを証明するための契約書が交わされているかもチェック対象になることがあります。というのも、契約内容が書面になっていない口約束だと家賃がいくらなのか、どれだけの収入があるのかが判然としないからです。

3.普段からできる対策

最近はネット上で簡単に会計処理ができ、e-Taxで申告まで完結することができます。会計の知識が乏しくても、こうしたツールを活用することによって自力による確定申告も難しくない時代となりました。

しかし、申告に自信がなくて「税務署に痛くもない腹を探られるのが嫌だ」というオーナーは、会計処理を税理士に任せたほうがよいでしょう。ただ、不動産について明るくない税理士もいますので、人選には注意が必要です。耐用年数や償却期間を間違えると、約10%の過少申告加算金を徴収されることがあります。
普段からできる税務対策は、「論より証拠」です。経営日誌に活動内容を丁寧に記録して、誰と何の目的で経費が発生したのかを記しておくことが大切です。そうやって確実な証拠を提示できるようにしておきましょう。

3-1.取引の証拠を残しておく

「論より証拠」である以上、税務調査が入っても慌てずに済むように取引の証拠を残すことを習慣づけておきましょう。経費として計上するものを購入したり代金を支払った際には、領収書を保管しておくのは基本です。

さらに領収書についても税務調査の際にオーナー側と解釈が分かれて争いになりそうなものについては、メモ書きをしておくなど、証拠をしっかりと揃えておくことが重要です。

3-2.通帳は個人用と事業用で分ける

個人で不動産投資を行っている場合、曖昧になりやすいのが賃貸経営に必要な経費とプライベートな支出とのすみ分けです。ガソリンの領収書1つにしても、それが何のために使ったものなのかを領収書だけでは証明できません。

そこで心がけたいのが、銀行口座の分別です。プライベートな金銭の管理に使っている通帳と不動産事業の通帳を分けることで、不動産事業でのお金の流れが分かりやすくなります。不動産投資以外であっても、個人的に事業をしている人は通帳を分けることで税務調査対策になります。

3-3.節税はしても脱税は絶対にしない

税金は少しでも安く抑えたいと思うのが人情です。そのためのノウハウとして節税があるわけですが、それと同様に税金を安く抑える(もしくはゼロにする)脱税があります。節税は合法的なスキームの範囲内にあるテクニックですが、脱税は所得を隠したり、収入を過少申告したりといったように明確なルール違反です。

脱税が発覚すると税金面での大きなペナルティを受けるだけでなく、悪質かつ金額が大きいと判断されると犯罪として処罰される恐れもあります。

不動産投資には節税の余地が多くあるため、それを活用することに問題はありませんが、脱税は論外なので絶対にしないようにしましょう。その時は発覚しなくても後になって発覚し、結局脱税によって得られた利益より多くの代償を支払うことになります。

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