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2021.04.20

固定資産税路線価・相続税路線価とは?|路線価の見方・計算方法

土地の価格は国や都道府県、行政がそれぞれ異なる視点で評価をしているため、同じ場所でも異なる評価基準が定められています。そのため、土地には複数の価格があり、「一物四価」、つまり1つの土地に4つの価格があるとされるのが一般的です。(基準地価を含めて一物五価といわれるケースもあり)

この一物四価の中に、固定資産税路線価(評価額)と相続税路線価(評価額)が存在します。
これらは、不動産投資をするにあたって避けては通れない税金に関わるものであり、理解しておきたい重要な知識です。路線価の基礎知識や見方と併せて、固定資産税路線価(評価額)・相続税路線価(評価額)の計算方法を見ていきましょう。

路線価とは?

路線価とは「路線(道路)に面する標準的な宅地1m2あたりの価格」のことです。
固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税の算出に使われる「固定資産税路線価」と、相続税や贈与税の算出に使用する「相続税路線価」の2種類があります。
単に「路線価」といった場合は「相続税路線価」のことを指します。

不動産の「一物四価+基準地価」

不動産には同じ土地に四つの価格が存在し、各行政がその目的に応じて基準となる価格を設定しています。これを不動産の「一物四価」といい、固定資産税路線価、相続税路線価もこの一物四価の一部という位置付けです。
この「一物四価」に「基準地価」を加えた五価、それぞれの価格について詳しく解説していきましょう。

実勢価格公示地価(公示価格)基準地価固定資産税路線価(評価額)相続税路線価(評価額)
実際に売買取引される際の価格一般の土地取引の指標となる価格一般の土地取引の指標となる価格。公示価格とは、基準地となる地点が若干異なる固定資産税、不動産取得税などの算出基礎となる価格相続税、贈与税の算出基礎となる価格
基準日毎年1月1日毎年7月1日3年に1度、1月1日毎年1月1日
公表日3月下旬9月下旬4月上旬7月初旬
調査主体国土交通省都道府県市町村国税庁
評価水準100100公示価格の70%が目安公示価格の80%が目安

実勢価格

売買契約を交わした当事者間で合意された土地の金額のことです。土地の条件に加え、売り主・買い主の事情なども加味されて決定した価格になります。

公示地価(公示価格)

国土交通省が毎年3月下旬に公示する全国の標準地の1m2あたりの価格のこと。全国の標準地は2020年時点で2万6,000地点です。
実勢価格とは異なり、売り急ぎなどの特殊な事情を加味せずに決められるもので、一般の土地取引の指標価格となります。

基準地価

都道府県が主体となって算出する、基準地約2万2,000地点の価格です。
公示価格とは基準地の対象が若干異なり、公示地価を補完する役割を持っています。

公示地価や基準地価は、国土交通省の「土地総合情報システム」で確認することが可能です。

固定資産税路線価(評価額)

固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税の計算に用いられる価格です。先述の通り、路線価とは「路線(道路)に面する標準的な宅地1m2あたりの価格」のことをいいます。
この路線価を基に計算されるのが、土地の固定資産税評価額です。市区町村によって3年に1度決定され、おおよそ公示価格の70%が目安となります。

公示地価の標準値が2万6,000地点であるのに対し、路線価の評価地点は約40万地点。つまり、固定資産税路線価を参考にした方が、公示地価よりも詳細な土地の価格を知ることができます。
固定資産税路線価は、一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」で調べることが可能です。路線価の見方や計算方法、具体的な計算例は、後ほど解説します。

土地+建物の場合、固定資産税路線価に加え、建物の築年数や構造、設備などを基に、物件一つ一つに対して個別に「固定資産税評価額」が算出されます。

中古物件の場合、固定資産税評価額は固定資産税の納税通知書で確認をすることが可能です。新築の場合は、建物が確定するまで評価額が算出されません。不動産会社などに問い合わせて、ある程度の目安を教えてもらうとよいでしょう。

相続税路線価(評価額)

宅地にかかる相続税や贈与税の計算に用いられる価格で、公示価格の80%が目安とされています。
相続税路線価は、固定資産税路線価と同様、一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」、もしくは国税庁の「路線価図・評価倍率表」で調べることが可能です。

相続税路線価の計算方法には、路線価方式と倍率方式の2通りがあります。後ほど詳しく解説します。

路線図の見方

では次に、路線価を知るための路線図の見方を解説します。
路線図は、国税庁の「路線価図・評価倍率表」のページで見ることができます。実際に国税庁ホームページに掲載されている以下の路線価図を例に見ていきましょう。

出典:国税庁HP

この路線価図に記載された①から⑤について、詳しく解説します。

表の見方① 路線価の年度と路線価図番号

上記の表内において、赤い四角で囲まれた①の部分には、この路線価が該当する年度と、各地域の路線価図番号(ページ番号)が記載されています。

表の見方② 地区、及び地区と借地権割合の適用範囲

上記の表内において、赤い四角で囲まれた②の部分では、〇や◇などの記号によって、高度商業地区、・繁華街地区など地区の種類が分かるようになっています。
二重線の外側は「黒塗り」「斜線」「白抜き」に分かれています。
・「黒塗り」……「黒塗り」側の道路沿いのみに、その地区区分が適用される
・「斜線」……「斜線」側の道路沿いにはその地区区分は該当しない
・「白抜き」……その路線全域に、該当する地区区分が適用される

表の見方③ 借地権割合

上記の表内において、赤い四角で囲まれた③の部分は、路線価の数字の横に記載されているA~Gのアルファベットに対応する借地権割合のことです。割合によってA~G、30%~90%に分類されています。

土地は、その土地を地主として所有する所有権と、家を建てるためにその土地を借りる借地権とで区別されています。借地権割合とは、その土地全体の権利に対して借地権が何%を占めているかを示すものです。借地を相続する場合の相続税路線価の計算に使用します。
繁華街や主要駅近辺など、利用価値の高い土地には高い借地権割合が設定されることが一般的です。また、借地権割合が記載されていない地域の場合、そこに借地があったとしても、権利としての評価はゼロになります。

表の見方④ 路線価と該当する借地権割合

上記の表内において、赤い丸で囲まれた④の数字は、宅地1m2あたりの価格を示す「路線価」(千円単位)と、③の「借地権割合」を表示しています。
上記の図では「105E」となっているため、路線価は10万5,000円、借地権割合は50%という意味です。

表の見方⑤ 住所と番地

上記の表内において、赤い丸で囲まれた⑤の数字は、住所が表示されています。
①などの数字が番地を示しています。

路線価を用いた評価額の計算方式

路線価を用いて宅地の評価額を計算するには、路線価方式と倍率方式の2種類の計算方法があります。

路線価方式

路線価が定められている地域で、宅地の評価額を求めるには「路線価方式」が使われます。

路線価の計算には、
・路線価
・地積(登記簿上の土地の面積)
・奥行価格補正率などの各種補正率
が必要です。

土地の評価額を算出する基本的な計算式は、

土地の評価額=路線価×地積×各種補正率

となり、ここで算出される土地の評価額は「相続税評価額」になります。

先述の通り、路線価は国税庁の「路線価図・評価倍率表」のページで調べることが可能です。地積は、固定資産税の納税通知書や登記簿謄本で確認をすることができます。

3つ目の「奥行価格補正率」とは、土地の奥行きの長さによる評価の違いを調整するためのものです。奥行が長い土地は、奥行きが短い土地よりも評価が下がるため、奥行価格補正率で修正します。国税庁ホームページ「奥行価格補正率表」で確認することが可能です。
その他、間口狭小補正率や不整形地補正率などがあります。

倍率方式

「倍率方式」は、路線価が定められていない地域の土地評価額を算出する際に利用します。固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算する方法です。
倍率方式に使用する「評価倍率表」は、路線価と同様、国税庁の「路線価図・評価倍率表」で調べることができます。

固定資産税評価額・相続税評価額・公示価格の具体的な計算例

では具体的な例を基に、路線価を用いた宅地の固定資産税評価額・相続税評価額・公示価格の計算方法をご紹介します。
分かりやすいように、一路線に面する以下のような宅地の場合で考えてみましょう。

出典:国税庁 「路線価図・評価倍率表」内「路線価図の説明」

自用地の場合

自用地とは、所有者以外にその土地を使用する権利を持つ人がいない土地のことです。つまり自用地の計算の場合、借地権割合は必要ありません。

奥行35mに対応する奥行価格補正率は0.97。路線価は千円単位で300なので、30万円。
よって、上記例の場合の相続税評価額は、

相続税評価額=30万円×0.97×700m2=2億370万円

になります。

目安として、相続税評価額は公示価格の80%であることから、

公示価格=2億370万円÷0.8=おおよそ2億5,500万円

と計算することが可能です。

また、固定資産税評価額は公示価格の70%が目安とされているので、固定資産税評価額は、

固定資産税評価額=おおよそ2億5,500万円×70%=おおよそ1億7,850万円

と計算することができます。

借地の場合

借地の相続税評価額を計算する場合は、自用地価格に借地権割合を乗じて計算します。
上記例に記載されている「300C」の借地権割合Cは70%なので、借地の場合の相続税評価額は、

2億370万円×70%=1億4,259万円

となります。

二路線に面する宅地の場合

二路線に面している宅地の場合は、計算方法が複雑になります。
以下の記事に詳しく掲載されていますので、参考にしてください。
路線価を使って土地の価格を計算してみよう

まとめ

路線価は、固定資産税評価額や相続税評価額、公示価格などを算出するための重要な要素です。固定資産税評価額は、固定資産税だけではなく都市計画税、不動産取得税、登録免許税の計算根拠にもなります。
不動産投資を行っていると必ず携わる機会のある価格です。ぜひこの機会に、路線価の見方や計算方法を覚えておきましょう。

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