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2021.04.17

家賃収入にかかる税金・経費・正しい確定申告の方法とは?

不労所得といわれる不動産投資の家賃収入。いつかは安定した家賃収入で脱サラを……と憧れている方も多いでしょう。
しかし不動産投資を始めようとするときに、気になることの一つが収入にかかる税金ではないでしょうか。特に、税務に馴染みの少ないサラリーマンの方は「高額な税金がかかるのではないか」「確定申告は自分でできるのだろうか」など、不安を感じているかもしれません。

そこで今回は、家賃収入の定義から、家賃収入にかかる税金や経費、正しい確定申告の方法について解説します。税金で損をしないよう、正しく理解しておいてください。

家賃収入とは?

家賃収入とは、保有する不動産を貸し出すことによって契約者から得られる収入のことを指します。アパートやマンションなどの賃貸経営の他、駐車場経営や貸倉庫、テナント向け物件などからも家賃収入を得ることが可能です。

家賃収入に含まれるもの

家賃収入には、毎月の賃料の他、以下のような収入も含まれます。

・礼金
・更新料
・敷金・保証金(返還の必要がないもの)
・共益費、管理費などの名目で受け取った共用設備の電気代・水道代など
・駐車場代

ただし、将来的に返還の可能性のある敷金や保証金に関しては、その時点では家賃収入ではなく預り金としなければなりません。返還しないことが確定した時点で、家賃収入として扱います。
また、滞納により実際には家賃を受け取っていない場合でも、入居者がいる限りは、家賃が支払われたものとして一旦収入に算入しなければなりません。その後回収不能が確定した際、事業的規模であれば「貸倒損失」として経費計上、事業的規模でない個人であれば過去の確定申告を修正する「更正の請求」が必要です。

家賃収入にかかる経費

家賃収入にかかる経費として、以下のようなものが挙げられます。

・税金(固定資産税・都市計画税・事業税など)
・管理費
・退去時のリフォーム費用
・減価償却費
・修繕費
・修繕積立費
・水道光熱費(共用部分)
・保険料
・入居者募集のための広告費
・ローンの金利部分
など

上記に挙げた項目は、経費として計上することができます。

家賃収入と不動産所得の違い

実は「家賃収入」=「不動産所得」ではありません。それぞれ別の意味があり、別の計算式で算出されるものです。

・家賃収入……敷金・礼金・共益費などを含めた賃貸経営において得られる家賃収入全体額
・不動産所得……上記の家賃収入から必要経費を差し引いた額

後述する所得税・住民税・事業税など、家賃収入に対して課税される税金は、この不動産所得額を基に計算されます。収入そのものに課税されるわけではありませんので、計算方法に注意しましょう。

家賃収入にかかる税金

不動産から家賃収入を得た場合に課税される税金について見ていきましょう。

所得税・住民税

不動産所得には、所得税・住民税が課税されます。
まず所得税は、
所得税=「課税所得金額(合計所得額-各種所得控除)」×税率(%)
で計算されます。
不動産所得以外に給与所得などを含めた合計所得額から、各種所得控除を差し引いた「課税所得金額」を基に税額を算出する仕組みです。
所得税の税率は、所得額が増えるほど税率が上がる累進課税方式で、所得額に応じて5~45%の税率が適用されます。

一方、住民税の所得割の税率は、ほとんどの自治体で10%です。これに均等割4,000円、復興税1,000円が上乗せされるため、
所得税=「課税所得金額(合計所得額-各種所得控除)」×10%+5,000円
で計算されます。

所得税・住民税は個人に課されるものであり、不動産投資の経費とすることはできませんので注意しましょう。

事業規模になると課税される個人事業税

賃貸経営がおおむね5棟もしくは10室以上の規模になると「事業的規模」と判断されます。事業的規模になると個人事業税の課税対象となり、課税所得額290万円を超えた部分について一律5%の個人事業税がかかります。
個人事業税は事業にかかる税金のため、経費算入することが可能です。

家賃収入に消費税はかかる?

家賃収入は、不動産の用途によって課税・非課税が決まります。

居住用不動産は非課税

居住用不動産の家賃、土地の貸付代金(いずれも貸付期間1ヶ月未満を除く)は、消費税非課税です。居住用不動産の契約に伴う敷金・礼金や更新料、共益費などの収入も非課税です。

事業用不動産は課税

店舗やオフィスなどの事業用不動産の家賃収入は課税取引となります。礼金、更新料などの返還されない収入にも消費税が課税されます。

駐車場の取扱い

駐車場の用途は居住用ではありませんので、駐車場収入は消費税の課税対象です。
ただし、居住用不動産との一体契約で一定の条件を満たした場合には、非課税扱いとすることもできます。「車の保有に関わらずスペースが割り当てられていること」などの条件がありますので、非課税取引としたい場合には詳細を確認しておきましょう。

課税事業者となるケース

課税対象となる売上高の合計が1,000万円を超えると、その翌々年より消費税の課税事業者となり納税義務が発生します。不動産投資以外にも課税収入がある場合、合算で1,000万円を超えれば課税事業者となるため注意しましょう。課税事業者となれば、消費税の確定申告が必要になります。

家賃収入がある場合の確定申告

家賃収入に対する確定申告については、給与所得者が副業で家賃収入を得ている場合と、個人事業主として家賃収入を得ている場合とで条件が異なります。勘違いしやすい部分ですので、よく確認しておきましょう。

不動産投資が副業の給与所得者の場合

会社員など給与所得がある方の場合、給与所得以外の所得が合計20万円を超える場合に確定申告の義務があります。つまり副業で得た家賃収入は、事業的規模であるかどうかを問わず、不動産所得金額が20万円を超える場合、確定申告しなければなりません。

この基準となる金額は「家賃収入額」ではなく、収入から経費を差し引いた「不動産所得額」であることに注意しましょう。

ただし医療費控除や住宅ローン控除を受けたい場合には、給与所得以外の所得合計が20万円以下であっても、不動産所得を含めた確定申告を行わなければなりません。一部の所得や控除のみを申告することはできませんので注意しましょう。

また、不動産所得が20万円以下の場合の申告免除は、あくまで所得税にのみ適用されるものです。別途住民税の申告が必要であることを覚えておいてください。

個人事業主として家賃収入を得ている場合

個人事業主として家賃収入を得ている場合には、不動産所得がいくらであっても確定申告が必要です。20万円以下の免除規定は、別途年末調整を行っている給与所得者のみに適用されるものですので、注意しましょう。

確定申告による節税効果

不動産投資では、不動産の減価償却費を経費計上できるため、家賃収入を得ていても帳簿上は赤字になることが少なくありません。給与所得者の場合、所得合計額が20万円以下の場合は確定申告を行わなくてもよいことになっていますが、赤字の場合は確定申告を行うことにより給与所得との損益通算が可能になります。
損益通算により本業での所得額が減り、税金の還付を受けることができるという節税効果が生まれるでしょう。

所得の区分に注意が必要なケース

家賃として賃借人から得る賃料の中に、食事や家事サービスなどの役務の提供が含まれる場合には、不動産所得ではなく事業所得(規模によって雑所得)扱いとなります。申告の際には所得の区分に注意しましょう。

青色申告と白色申告

確定申告の申告様式には、青色申告と白色申告があります。
青色申告は、最大65万円(電子申告の場合)の青色申告特別控除が受けられるなど、さまざまなメリットのある申告様式です。主な違いを比較してみましょう。

【青色申告と白色申告の違い】(事業的規模の場合)

青色申告白色申告
控除額最大65万円なし
簿記複式簿記単式簿記
必要な決算書貸借対照表・損益計算書収支内訳書
専従者給与全額経費算入可能配偶者86万円、その他50万円まで
損失繰越3年間の繰り越しが可能不可
少額減価償却資産30万円未満は一括経費計上可能特例なし

事業的規模でない場合であっても、青色申告を選択することで10万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。また、損失の繰り越しや少額減価償却資産の特例は、事業的規模でなくても適用することができます。

青色申告を行うには、事前に「青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出しておくことが必要です。新たに青色申告の申請を行う場合には、申告の対象となる年の3月15日までに、年度途中の新規開業の場合は事業開始日から2ヶ月以内に提出しなければなりません。青色申告を希望している場合には、期限内に承認申請書を提出しておきましょう。

確定申告の手続きの流れ

所得税の確定申告期間は2月16日~3月15日(当日が土・日・祝休日にあたる場合はその翌日)が一般的です。
ただし2021年の申告(2020年分)は、コロナウイルス感染拡大の影響により4月15日まで申告期限が延長されました。このように取扱いが変更になることもありますので、確定申告の時期が迫ってきたら、最新情報を国税庁のホームページなどで確認しておきましょう。

なお、納期限に遅れた場合には延滞税が、必要な申告を行わなかった場合には無申告加算税が課されるケースもあります。期限内に確実に提出しましょう。青色申告の場合、期限に遅れると最大65万円の青色申告特別控除が適用できなくなります。

手順1. 必要書類を準備する

確定申告には、その年の収入や経費が分かる書類が必要です。申告直前に慌てることのないよう、早めに準備しておきましょう。

【確定申告に必要な書類】
確定申告書B
決算書(青色申告の場合)
収支内訳書(白色申告の場合)

【家賃収入に関する書類】
賃貸契約書
家賃入金が記帳された通帳
家賃の送金明細書(管理業務を委託している場合)

【経費に関する書類】
管理代行手数料の明細(管理業務を委託している場合)
管理費・修繕積立金などの領収書もしくは出金履歴
修繕費の見積書・請求書・領収書など
火災・損害保険の証書や領収書
ローンの支払い明細表
固定資産税・都市計画税の納付通知書
その他賃貸経営のために要した費用の領収書

【その他】
源泉徴収票(給与所得がある場合)など、個人の所得がわかる書類
個人の社会保険料や生命保険料の支払証明書
個人の各種所得控除に必要な書類(医療費・寄附金の領収書など)

手順2. 申告書を作成する

確定申告書を書面で提出する場合は、申告書類に直接数字を記入しても構いません。
国税庁Webページの確定申告書作成コーナーを利用すると、自動計算の機能などもあるため、非常に便利です。画面の指示通りに必要事項を入力していけば、そのまま印刷して提出することができます。

また、会計ソフトを利用するとより効率的に申告書や決算書の作成が可能です。日々の仕分け作業も簡単で、ダウンロードしたデータを確定申告書作成コーナーで読み込めば、自動で申告書や決算書が作成されます。

手順3. 申告書を提出する

作成した確定申告書は、窓口に直接提出、郵送、e-Taxによるインターネット送信のいずれかで提出します。

2020年分の確定申告以降、65万円の青色申告特別控除を適用するには、e-Taxによる電子申告もしくは電子帳簿保存が要件となりました。要件を満たさない場合、青色申告特別控除額は55万円となりますので注意しましょう。
e-Taxの利用には、マイナンバーカードとICカードリーダライタ、もしくはスマートフォンが必要になります。事前に準備しておきましょう。

確定申告書の控えは、後々必要になるケースがあります。あらかじめコピーを作成しておき、受付印を押印した控えをもらっておきましょう。
郵送・窓口時間外提出の場合には、コピーとともに返信用封筒を同封しておくと、受領印を押した控えを返送してくれます。
e-Taxの場合、メッセージボックスに届く受領確認のメッセージ画面を保存、コピーしておくと受領の証拠となります。

手順4. 納税する

確定申告を終えたら、所得税を納税します。窓口の他、コンビニエンスストアや預金口座からの振り替え納税、クレジットカードによる納税が可能です。e-Taxの場合には、e-Taxで指定した銀行口座からのダイレクト納付にも対応しています。
なお、確定申告の期限までに納付(振り替え納税の場合は口座設定の申し込み)を済ませることが必要です。確定申告後に別途納付書が届くわけではありませんので、忘れずに納税を行いましょう。

まとめ

家賃収入に対してかかる税金や、確定申告の概要について説明しました。税金や申告に関する事柄は難しく複雑な部分もありますが、正しく納税を行うためにしっかりと理解しておきましょう。正しく確定申告することで、節税効果を最大限引き出すことができるなど、ひいては不動産投資の効率を高めることにもつながっていくはずです。

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