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2021.04.08

融資が厳しい不動産投資に今から参入するべきか?金融機関と上手に付き合う7つのポイント

近年、不動産投資に対する各金融機関の融資が厳しくなったといわれています。実際、金融機関の融資姿勢はどのように変化しているのでしょうか?また、なぜ厳しくなったのでしょうか?
金融機関の融資姿勢の実態と、その理由を検証してみましょう。

またこうした状況の中で、今後どのように金融機関と向き合い、どのように対処していけばいいのかについて解説していきます。今後も不動産投資を継続するべきなのかどうか、一緒に考えていきましょう。

金融機関の不動産投資に対する融資姿勢は、さまざまな要因によって厳しくなったといわれています。実際のところはどうなのでしょうか?
金融庁が2019年に公表した投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果のデータを見てみましょう。

金融機関の融資実行額の推移

まず金融機関の融資実行額の推移を見てみましょう。

(出典:金融庁「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」

銀行の融資実行額は、2018年9月期に入ってから急激に低下傾向にあることが分かります。
金融機関の融資姿勢が変わった背景には、時期的にも「かぼちゃの馬車」事件の影響が大きいといえるでしょう。この事件をきっかけにずさんな融資審査や金融機関の営業ノルマなどが問題となりました。金融庁からの監視の目が強化されたこともあり、各金融機関が改めて襟を正したことを反映していると考えられます。

不動産投資への融資が厳しくなった理由については、後ほど詳しく解説します。

金融機関の不動産投資に対する融資姿勢

次に、各金融機関が不動産投資に対してどのような融資姿勢を示しているのか、その推移を見てみましょう。

(出典:金融庁「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」

銀行、信用金庫・信用組合いずれにおいても、年々積極的な姿勢の割合が減少し、消極的姿勢が増加しています。
また、2018年10月に日経新聞が全国の地方銀行105行に対して行った調査では「今後積極的に融資を伸ばす」と回答した地方銀行はゼロでした。

各金融機関の不動産投資に対する融資姿勢は、年々厳しくなっているということを確認することができます。

不動産投資への融資が厳しくなった理由

では、なぜ金融機関は不動産投資への融資審査を厳しくするスタンスへと変わっていったのでしょうか?主に2つの原因が考えられます。

不動産向け融資の過熱に対する警戒

2015年の税制改正により、相続税の基礎控除額が大幅に減額され、これまでよりも多くの人が相続税対策の必要性に迫られるようになりました。
不動産の相続には、現金や株式などの相続に比べて、相続税の課税対象額を減らす効果があります。そのため2015年以降、相続税対策に不動産投資を始める人が増え、アパートローンが急増するという現象が起きました。

さらに長年続くマイナス金利の影響もあり、2016年には不動産業への融資残高はバブル期をもしのぐほどの過熱状態となったわけです。

これに対し、供給過剰による空室の増加や、安易な審査による債券不良などを危惧した金融庁が「待った」をかけました。融資実績の調査やリスクへの管理指導を行うなど、各金融機関に対し引き締めを強化したのです。

これにより、各金融機関はより厳しい融資審査を徹底するようになりました

相次ぐ不正融資への引き締め

先述した「かぼちゃの馬車」事件をはじめ、金融機関による不動産業への不正融資が相次いで発覚したことで、金融庁は不動産融資に対しより厳しいモニタリングを行うようになりました。

不動産投資に興味を持っている方なら、2018年1月に起きた「かぼちゃの馬車事件」を知っている方も多いでしょう。
工事業者からの高額なキックバックを得ることを目的に、赤字事業であったシェアハウス事業を次々と立ち上げた結果、サブリース会社が倒産。サブリース賃料が未払いとなり、多くのオーナーが自己破産に追い詰められた事件のことです。
この事件にスルガ銀行が関係しており、融資審査書類の偽造や改ざんなど、不正融資が行われていることが発覚しました。

スルガ銀行以外にも、地方銀行における不正融資が相次いで発覚したことで、金融庁は各金融機関へのアンケート調査や融資審査の適性検査を実施。金融機関は、金融庁からの指導にのっとり、厳しい融資審査を実行するようになったのです。

不動産投資に厳しくなった金融機関とうまく付き合う7つの方法

物件購入費用を全て自己資金で賄うことができない限り、不動産投資に金融機関の融資を利用しないわけにはいきません。審査が厳しくなった金融機関から、今後も融資を受けるためには、どのように対処していったらいいのでしょうか?

属性を高める

依然として、融資を受ける人の属性を重視する金融機関の姿勢は変わらないと思われます。融資を受けるために転職というのは難しいかもしれませんが、じゅうぶんな勤続年数を重ねるまで様子を見る、その他の借入額を減らすなど、属性を高める工夫が必要でしょう。

手持ち資金を増やす

頭金を投入しない「フルローン」を組んで不動産投資を行いたいと考える人も多いと思います。しかし融資が厳しくなっている現状では、フルローンの融資審査に通るのはかなり難しいでしょう。上場企業の社員や公務員など、属性の高い投資家であっても、現状フルローンは厳しいといわれています。

そのため、できるだけ多くの自己資金を用意するようにしましょう。手持ちの資金が多い方が、金融機関からの信用性が上がり、属性が高く評価されます。

また金融機関の多くが、契約者に購入金額の一部を自己資金で賄うよう求めています。

(出典:金融庁「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」

じゅうぶんな頭金を用意した方が、金融機関の印象が良くなることが考えられます。

担保価値の高い物件を選ぶ

不動産投資への融資の場合、住宅ローンとは違って、個人の属性プラス物件評価も審査対象となります。そのため、担保価値の高い物件を選択することも重要です。

駅近、スーパーや商業施設が近いなどの立地条件が良く、賃貸需要の高いエリア・間取りであれば、空室リスクや家賃下落リスクが少ないでしょう。長期にわたって安定した収益が見込めるため、金融機関からの物件評価を高めることが期待できます。

また「新築プレミアム」という言葉があるように、入居者を呼び込みやすく、家賃も比較的高めに設定できる新築物件は、金融機関の評価が高くなる傾向があるでしょう。

ただし、高い評価を得られる物件は、その分購入金額も高くなる傾向にあります。自身の属性や年収、自己資金を考慮し適切な価格の物件を選択するようにしましょう。

物件検索には、つなぐみらいの収益物件検索サイトが役立ちます。ぜひ活用してみてください。。

https://tsunagumirai.co.jp/

アパートよりもマンションを検討してみる

木造で耐用年数が短いアパートより、RC造・SRC造などで耐用年数の長いマンションの方が、金融機関の物件評価が高い傾向があるでしょう。
耐用年数が長い方が長期的な収益が見込め、中古市場での売買も行われやすく流動性が高いと判断されるためです。

金融機関を変えてみる

金融機関は、メガバンクや地方銀行、信用金庫・信用組合などによって融資のスタンスや審査基準が異なります。1つの金融機関に融資を断られてしまっても、諦めず他の金融機関に相談してみるとよいでしょう。

すでに融資を受けているものがあれば、借り換えを行うことで金利を下げるなど、借入額のスリム化をすることも有効です。金融機関に交渉にあたる前に総返済額を減らすことができれば、融資を受けやすい環境を作ることができるかもしれません。

しっかりとした事業計画書を提出する

金融機関に融資審査を依頼する際、その物件でどのような経営を行おうとしているのかを示す事業計画書を提出することが一般的です。
事業計画書には、予想される収益・経費を含めた収支計画やローン返済計画、キャッシュフローのシミュレーションなどを記載します。

この事業計画書がいかに正確で現実的なものであるかどうかによって、金融機関の印象は大きく変わってくるといえるでしょう。
周辺調査による具体的なデータに基づいていたり、空室率や家賃下落率など適切な数値を用いていたりする計画書であれば、金融機関からの信用度が上がることが期待できます。

金融機関からの信用を高める工夫をする

先述した的確な事業計画書の提出のように、金融機関からの信用度を高める工夫は非常に重要です。
これまでの自分の経歴や財務状況をきちんと説明できる、事業計画書に対する質問にすぐに答えられる、提出すべき資料を漏れなく準備するなど、基本的なポイントを押さえることで、金融機関からの印象は大きく変わってくるでしょう。

不動産投資への融資が厳しい今だからこそ、より好印象を持ってもらえる工夫が必要です。

各金融機関の特徴

次に、各金融機関の不動産融資に関する特徴を押さえましょう。

融資スタンス金利特徴
メガバンク厳しい低い
1~2%前程度
(変動金利の場合)
物件評価・属性ともに査定が厳しい
地方銀行少し厳しい
(低金利であればあるほど厳しい)
少し高め
1~4%程度
(変動金利の場合)
地域エリア外は融資してもらえない
信金・信組地方銀行と同程度地方銀行と同程度営業エリアが限られている
ノンバンク緩やか高い
2%~15%台
築古物件への融資やオーバーローンが可能な場合もある
日本政策金融公庫比較的やさしい低い
1~2.5%程度
融資期間が短い
融資上限が低い
ネット銀行地方銀行と同程度高め
3%~9%程度
銀行によって金利幅や条件が大きく異なる

メガバンク

メガバンクとは全国に多くの支店を持つ都市銀行のことで「三菱東京UFJ銀行」「みずほ銀行」「三井住友銀行」「りそな銀行」「埼玉りそな銀行」の5行を指すことが一般的です。
極めて低い金利で利用できますが、審査がとても厳しい傾向があります。融資を受ける人の属性、預金を含めた保有資産、物件の担保価値が厳しく審査されるでしょう。

地方銀行

地方銀行は地方都市を営業エリアとし、地方企業の経済発展を支援するという目的があります。そのため、融資を受ける本人の居住地に支店があることや、購入物件が営業エリア内にあるなどの条件が付くケースが多いでしょう。

融資審査のポイントは、基本的にメガバンクと同じと考えられます。メガバンクと同等の低金利を打ち出している地方銀行もあり、その場合は融資審査が厳しくなる傾向があるでしょう。

信用金庫・信用組合

信用金庫や信用組合は非営利法人であり、なおかつ金融庁の定めにより営業エリアが限定されています。信金・信組の融資を利用したい場合は、住所または事業所が営業エリア内にあることが条件となります。

融資審査の厳しさや金利は、地方銀行と同程度でしょう。

ノンバンク

ノンバンクとは、融資のみを行う消費者金融や信販会社のことです。ジャックスやクレディセゾングループなどが該当します。
金利は高いものの、地方銀行や信金・信組のようにエリアの制限もなく、比較的融資審査が緩やかであるといえるでしょう。築古物件であっても融資を受けられる可能性があり、場合によってはオーバーローンも可能になるケースがあります。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、政府が100%出資を行う公的な金融機関です。国民生活向上を目的としているため、審査が比較的やさしく、低金利で融資を受けることができます。
ただし国民生活事業一般貸し付けの場合、借入期間が10年以内と短く、融資額は4,800万円が上限となります。高額物件への融資には利用できない可能性があるでしょう。

ネット銀行

店舗を持たないネット銀行でも不動産投資向けの融資を受けることができます。
審査の基準は地方銀行と同程度、金利は比較的高めに設定されているようです。銀行によっては、融資金の使用目的が自由であったり、条件を満たせば優遇金利が受けられたりするサービスもあります。

不動産会社提携の金融機関がお勧め

多くの不動産会社は、提携している金融機関を持っています。自ら金融機関を新規開拓するよりは、提携する金融機関にお願いした方が、融資審査がスムーズに進む場合もあります。ぜひ不動産会社に確認してみましょう。
金利の低い金融機関と強いパイプを持っているような、融資に強い不動産会社を選ぶことも重要です。

今後不動産投資をやるべきか?

ここまで、金融機関の融資に対する厳しい姿勢の現状や、その理由を説明してきました。金融機関とうまく付き合っていくために押さえるべきポイントはありますが、こうした厳しい環境の中で、今後不動産投資に参入するべきなのでしょうか?

不動産融資は金融機関にとっても大事な金融商品

不動産投資を取り巻く金融機関の融資姿勢は、確かに厳しくなっている傾向があります。しかし金融機関にとって、不動産融資は依然として利益を出すための大事な金融商品です。あまりにも融資の実行を引き締めてしまうと、銀行としては利益が圧迫されてしまいます。
銀行は、やみくもに融資をストップしているわけではありません。
今後、引き続き融資に対する審査基準に厳格にのっとった審査が行われることは変わらないでしょう。しかし、その条件に合致しさえすれば、融資を受けることはじゅうぶんに可能性があるといえます。

適切な投資かどうかの判断が厳格化しているだけ

全ての銀行がそうではありませんが、これまでの金融機関には、できるだけ積極的に融資を実行しようという姿勢がありました。営業ノルマの厳しさなどもあり、多少無理のある事業計画でも目をつぶって融資を行ったり、悪質なケースでは資料の偽造・改ざんなどが行われたりしてきたわけです。

つまり融資が厳しくなっている背景には、本来あるべき審査基準に厳格にのっとった融資を行うという方向へ、金融機関が転換していると考えることができます。
先述の通り、担保評価の高い物件を選んだり、現実的かつ適正な事業計画が立てられたりするのであれば、厳しい状況下でも融資を受けることは不可能ではないでしょう。

今融資が下りる物件・事業計画なら安心

こうした厳しい環境下において、自分が購入した物件、作成した事業計画書で無事に融資が下りたということは、むしろ金融機関から事業へのお墨付きをもらったと考えることもできるのではないでしょうか。
逆に融資審査に通らなかった場合、不動産の担保価値が低い、もしくは事業計画が甘いなどの原因が考えられます。物件や事業計画を見直すことで、今後の事業の失敗を防ぐことにつながるかもしれません。

物件価格が下がる時こそ買い時

投資には「麦わら帽子は冬に買え」という格言があります。厳しい状況下においては購入価格が下がるため、安いうちに購入しておけば値上がり益が期待できるという考え方です。
現在の不動産投資は、融資の厳しさが購入価格の下落につながっているわけではありません。しかし投資において、逆風がチャンスかもしれないという考え方は大切です。
今後の状況を注視し、将来を見据えてあえて今のタイミングで不動産投資に参入するという考え方もあるでしょう。

事業系不動産投資も視野に入れてみる

今後の先行きが不透明な場合のリスク回避法としては、複数の資産に分散投資することが有効です。不動産投資で言えば、住居系だけではなく事業向けの不動産投資も取り入れることが分散投資につながります。

事業向け物件は、一度入居したら長期の入居が見込め、入退去時のリフォーム費用が住居系よりも少なく済むというメリットがあります。少し視点を変えて、店舗やテナント向けの事業系不動産投資も選択肢として加えてみるとよいでしょう。

まとめ

不動産投資を取り巻く金融機関の融資姿勢は、銀行・信金・信組ともに消極的な割合が増え、審査が厳しくなっている傾向があることは事実です。
しかし、それは「融資をしない」ということではありません。これまで問題となってきたずさんな審査や強引や融資はせず、適切な融資のみをおこなっていくという方針に切り替わったと考えることもできるでしょう。

属性を高める、自己資金を増やす、担保価値の高い物件を選ぶ、適切な書類を提出するなど審査に関わる基本的なポイントをしっかり押さえ、金融機関からの印象を上げる工夫をすれば、可能性がないわけではありません。

金融機関ごとの特徴を踏まえながら、粘り強く融資に向き合っていきましょう。

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